勝つ!政治家.com
お問い合わせフォーム
ホーム > コラム一覧 > 調査データ > 戦後最低の投票率の裏に安倍政権への消極的支持

戦後最低の投票率の裏に安倍政権への消極的支持

 

野党は民主党73(+11)、共産21(+13)が公示前の議席数を上回り、維新41(-1)、次世代2(-17)、生活2(-3)は下回りました。社民2(0)で変わらず、無所属は8(-9)でした。

 

 

matsudablog14121602

 

 

投票率は戦後最低を更新

過去の投票率(小選挙区)の推移を見ると、郵政民営化が争点となった2005年の衆院選では67.51%、民主党への政権交代が起こった2009年は69.28%でしたが、第三極政党が乱立した2012年は59.32%と大きく下がりました。そしてアベノミクスをはじめとして安倍政権の是非が問われた今回の選挙は、15日総務省発表によると52.66%となり、戦後最低だった前回投票率を6.66ポイント下回りました。

 

14121601

 

 

投票率低下の要因

私は大きく2つの要因があると考えています。

 

1つは、自民党と野党の関係が、終始一強多弱の構図から抜け出せなかったことです。自民党は国民が最も関心の高い経済政策について、アベノミクスというわかりやすい旗を掲げ「景気回復、この道しかない。」と訴えました。

対する野党は経済政策についての対案を出して真っ向勝負を挑むこともできず、アベノミクスへの批判に終始した印象でした。内閣支持率が40%を超える状況では、ただ批判をするだけでは支持を広げることはできませんし、対案の無さは政権を担う力がないことの現れでもあります。

 

今年4月29日、BLOGOSに掲載された田原総一朗さんのインタビューの中で、田原さんは次のように述べられていました。

 

去年の参議院選挙のとき、僕は、野党全党の党首に「アベノミクスを批判しているだけではダメだ」と言った(「各党は参院選までにアベノミクスの対案を出せるように努力すべきだ」)。高度経済成長の時代には、政権を批判しているだけでもよかったが、いまは対案を示さないと、国民に支持されない。

だから、アベノミクスを批判するなら、それに対抗するカイエダミクスを打ち出せ。あるいは、ワタナベミクスやハシモトミクスを打ち出せ。それぞれの野党が「我々はこうする」という対案を打ち出せば、国民には選択肢がいくつも示されて、そのなかからどれを選ぶのかということになる。

「旗印なき野党再編」は成功しない〜田原総一朗インタビュー

http://blogos.com/article/85122/

 

 

この田原さんの指摘のとおり、与党に対して野党が選択肢を示すことができなかったことが、参院選に続き選挙戦が盛り上がらず低投票率になった一番の要因だと考えます。共産党が安倍政権への批判票の受け皿となり、議席を伸ばしたのは(実現可能性は別として)アベノミクスへの対案を出しているという印象があったからではないでしょうか。

 

2つ目の要因は、そもそも自公政権の他に選択肢のない中で、消極的に安倍政権を支持する有権者が多かったということだと考えています。低投票率を問題にする声がありますが、裏を返せば投票に行くほどの動機付けがないということであり、それだけ有権者にとっては課題がない、現状肯定の意識が根底にあるということです。

 

だからこそ、繰り返しになりますが野党が対立軸を打ち出し、アベノミクス以外の選択肢を出さなければ国民は動かなったのだと思います。

 

 

報道のアナウンス効果で自民の議席は減少

自民党は、投開票日1週間前の各種情勢調査では非常に堅調で、報道各社は「自民単独で300議席超」「320議席に迫る勢い」と報じました。こうした報道が低投票率を促し、自民党への追い風になったという見方もありますが、私はむしろ報道の影響で自民党は議席を減らしたと考えています。

 

報道のアナウンス効果については、死に票を避けるために勝ち馬に乗ろうとする有権者の意識が加速される「バンドワゴン効果」と、負けそうな候補に同情票や批判票が集まる「アンダードッグ効果」の2つがあります。

 

私が選挙の現場で経験してきた中では、投票率が上がる選挙ではバンドワゴン効果が、投票率が下がる選挙ではアンダードッグ効果が出やすいと感じています。

 

2013年の参院選でも、序盤に自民党の大勝が報じられた結果、共産党に批判票が集まり議席を倍増以上(3→8)に伸ばしました。今回も「楽勝なら自分が投票に行かなくても大丈夫」と思ってしまう支持者の心理や、「自民党を勝たせすぎてはいけない」という心理が働き、自民党は投開票の1週間前の予想から議席を減らしたのだと考えられます。

 

 

近畿で存在感を示した維新の党

今回の衆院選で、個人的に最も印象に残ったのは、伸び悩むと言われていた維新の党が、最終的に1議席減とほぼ現有勢力を維持したことです。

 

選挙戦中盤では、維新の党が伸び悩むという報道があり、最終日には橋下代表から「敗北宣言」も飛び出しました。これについては、ブロガーのやまもといちろうさんが「橋下徹さんの「維新敗北宣言」&自民党への迎合的発言に驚く」

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2014/12/post-7012.html#more

 

と記事に取り上げておられますが、私もやまもとさんと同様、これで維新の党の敗北は決定的になったと思いました。選挙において、大将が投票箱が閉まる前に敗北宣言というのは考えられません。

 

しかし、蓋を開けてみれば維新の党は大阪で5つの選挙区で勝利し、兵庫でも1選挙区で勝利。近畿での比例票は2,202,932票と自民党の2,442,006票とほぼ並び、8議席を確保しました(民主の比例票1,047,361票の倍以上を獲得)。

 

結果的に、最終日の橋下代表による「敗北宣言」が維新の党への同情票を集めたのではないかと考えられます。特に大阪府の比例票は、維新の党が1,143,606票と自民党の大阪府:875,897票を大きく上回り、根強い橋下人気と府議・市議を抱える維新の党の底力が発揮されました。

 

 

共産党は統一地方選挙で議席を伸ばすか

参院選に引き続き議席を倍増以上に伸ばして21議席を獲得した共産党ですが、今後もこの勢いが続くかどうかは、国会でどれだけ存在感を出せるかにかかっていると思います。

 

衆議院で法案を単独で提出できる20議席以上を確保し、党首討論の持ち時間も増えるなかで、これまでのように批判一辺倒ではすぐまた支持率は下がってしまうでしょう。どれだけ対案を出し、現実を変えていけるのかによって、統一地方選挙での議席を伸ばせるかが変わってくると予想します。

 

 

小選挙区は個人の力

最後に、野党が競り勝った選挙区をみると、候補者個人の力(候補者としての資質・後援会組織の強さ・選挙運動の質と量)が高いことがあげられます。小選挙区は確かに所属政党の風によって大きく左右されますが、逆風でも勝ち抜けるかどうか、接戦を制することが出来るかどうか、最後は候補者個人の力と支える陣営の力によるところが大きいと痛感した総選挙でした。

 

解散が決まってからの動きも大切ですが、やはり日々の政治活動期間でどれだけ自分の政策や志を伝え、揺るぎないファンを獲得できるかだと思います。そうした意味では、ネット選挙も解散後にあわててはじめるのではそもそも手遅れであり、政治活動期間からの積み上げが非常に重要だと感じた次第です。ネット選挙の検証については、また日を改めて。

 

この記事の著者

松田馨
株式会社ダイアログ代表取締役
松田 馨

株式会社ダイアログ代表取締役。選挙プランナーとして100を超える選挙に関わり、「日本最年少プランナー」「ネット選挙に精通した選挙プランナー」としてマスコミに多数取り上げられる。週刊誌等での国政選挙の当落予想記事の執筆など、無党派層の動向分析には定評がある。一般社団法人 日本選挙キャンペーン協会理事・事務局長。日本選挙学会会員。

この記事を書いた人

松田馨

松田 馨
株式会社ダイアログ
代表取締役

>>記事一覧を見る

この記事をシェア

  • Facebookでシェア

コラム著者一覧

実績・事例が知りたい

100人を超える戦績(2015年12月末時点)

参議院選挙、衆議院選挙
東京都知事選挙、県知事選挙、
市長選挙、県議会議員選挙、
市議会議員選挙ほか、各種選挙。

どんなサービスを提供しているの?

継続プラン

政治活動をサポートする

継続プラン

選べる4タイプ!

ネット選挙特別プラン

直前の選挙に備える

ネット選挙特別プラン

首長選挙プラン

お得なパッケージ

首長選挙プラン

株式会社ジェイコス「勝つ!政治家.com事業部」TEL 03-5212-4377
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-7-9 センダビル4F 担当:苅部(かりべ)まで

  • facebook
  • twitter